おんな城主直虎 9話のあらすじネタバレと感想
NHK大河ドラマおんな城主直虎9話のあらすじネタバレと感想です。
あらすじのネタバレは放送開始前に、感想は放送開始後に追記します。
目次
おんな城主直虎 9話のあらすじネタバレ
戦へ向かった直盛たちの無事を祈り、寺の涸れ井戸で手を合わせていた次郎は、おもむろに顔を上げた。
頬に雨粒が当たるのを感じたのだ。
しかし空は雲一つなく晴れ渡っていた。
次郎「なんだ、気のせいか・・・」
直後、天地をひっくり返す様な知らせが井伊谷を震撼させた。
「尾張の桶狭間にて、織田勢に奇襲をかけられた今川軍が大敗し、義元公も首を討たれたとのことです!」
一瞬にして井伊家は恐慌状態に陥った。
城や寺に残っていた者たちは総出で、傷を負い戻ってくる兵たちの手当てに当たった。
その中には、重傷を負った奥山朝利の姿もあった。
朝利は、直親の嫁・しのと、政次の弟・玄蕃の嫁なつの父親である。
朝利「申し訳ない。このようなことになってしまって・・・」
なつ「とんでもありません、よくぞ戻ってきてくれました。それで、あの・・・、玄蕃様は・・・」
朝利「・・・立派な戦いぶりであった・・・」
目線を落とし、つぶやいた朝利の言葉で、玄蕃の死を知ったなつは、肩を震わせながら顔を覆った。
次郎の視線の先には、拳をぎゅっと握りしめ、弟の死を受け止め切れずにいる政次がいた。
次郎「大変な戦だったのでございますね」
不安を押し殺すようにして、次郎は朝利に声をかけた。
朝利「まさに地獄のようだった・・・視界を遮るような豪雨の中、奇襲をかけられ、もはや敵も味方も分からない状態で・・・」
次郎「あの・・・そのとき殿は・・・?」
朝利「情けないことにお姿を見失ってしまいました。無事でいてくれるといいのだが・・・」
井伊家再編成
その日の夕方、次郎の父・直盛は、井伊谷に戻って来た。
無言で・・・兜もつけず・・・首一つで・・・。
政次「殿を連れ帰ったのはお前か?」
朝利の息子である孫一郎に、政次が尋ねると、孫一郎は震える声で経緯を語った。
不利な状態を察し、なんとかその場を離れたとき、直盛は孫一郎に告げたらしい。
直盛「わしは腹を斬る。お前は、わしの首を高々と掲げ、織田の兵のふりをして堂々と戦場を去るのだ。そうすれば、井伊の武者の一人は助かる」
敵に首を討たれ、手柄にされるくらいなら、自ら井伊の役に立つ死に方を選びたい、と・・・
「殿らしい・・・ご最期で・・・」
誰かのささやいた声は、もはや次郎の耳には届かなかった。
父上が死んだ。
いなくなってしまわれた。
もう会えない・・・話もできない・・・
父との思い出が、次郎の頭の中を、走馬灯のように駆け巡っていた。
亡くなった井伊家の家臣は十五人にのぼり、彼らの葬儀は、龍潭寺で執り行われた。
じめじめと重苦しい空気の中、次郎は南渓の弟子として、必死に耐えながら経をあげた。
この戦により井伊家は大打撃を受け、新たな体制を整える必要があった。
家督を継ぐ直親と、家老の政次を軸に再構築するものと誰もが思っていた。
しかし、孫一郎が、直盛から遺言を預かっていたことから、評定の席に激震が走った。
孫一郎「息をお引き取りになる直前、直盛様は、井伊谷を、中野殿に任せると言い残されました」
一同ばかりか、当の本人である中野直由さえも驚き、戸惑いを隠せずにいた。
直由「私はそのようなことは何も聞いておりません!」
場が乱れる中、政次が、冷静に口を開いた。
政次「今回の戦で、遠江・三河一帯が大いに荒れるのは明らかでしょう。殿としては、唯一のご嫡流である直親様を、矢面に立たせたくなかったのではないでしょうか」
直平「確かに・・・今後は太守様の弔い合戦などがあるかもしない・・・」
政次「ここは、戦にお詳しい中野殿にお任せするのが最も得策ではないでしょうか」
政次の解釈に直親も納得し、これを受け入れた。
が、しかし、親戚衆筆頭の奥山朝利は穏やかでなかった。
朝利は、当主を失った混乱に乗じ、家政を任されなかったことへの不満を募らせた政次が、井伊家を牛耳るのではないかと恐れ、小野家に嫁いだ娘のなつと政次の弟・玄蕃との間に生まれた亥之助を取り戻そうとした。
しかしこの時はなつの拒絶にあい、このたくらみはいったん白紙になった。
が!これがのちに、井伊を悲劇の波に飲み込むのである。
背負った運命の重さ
次郎は、井伊の館に戻り、肩を落とす母のそばに、しばらくついていてあげたいと思った。
その願い出を快諾した南渓は、織田信長に討たれた今川義元の葬儀を手伝うため、駿府へ向かおうとしていた。
「しかし、世の中何が起こるか分からないもんだ。あの虎の今川が猫の織田に敗れるなんて」
「井伊は、この先、どうなるのでございましょうか」
「予期しないことも起こりうるということを、目のあたりにしたばかりだしな」
次郎が館に戻ると、千賀は何通もの手紙を書いていた。
桶狭間の戦で命を落とした家臣たちの、家族に宛てたものだという。
千賀「私からの文手紙など、大した慰めにもならないことはわかっていますが」
次郎「いつもこのようなことをされていたのですか?」
千賀「こんなに多いのは初めてですけどね。しかし、お悔やみや礼を言うのは、私しかいないではないですか」
気丈に振る舞う千賀であったが、小さくなった背中に悲しみがにじんでいた。
母上だって、慰めが欲しいだろうに・・・。
次郎が部屋に戻ると、机の上には自分宛ての手紙が置かれてあった。
『このたびはお父上を亡くされ、悲しみの深さお察しいたします』
母の手紙は、そんな書き出しで始まっていた。
『あなたのお父上は大変優しく、人の心を大切になさる方でした。私利私欲はなく、井伊のためならば命を差し出す覚悟のある、そういう立派な方でした。井伊のために出家し、井伊のために還俗も諦めた。あなたはお父上に似ています』
千賀は続けて、次郎も知らなかった直盛との思い出をつづっていた。
働いているところをたまたま見かけ、次郎はまた美しくなったと微笑み話していたこと。
いつの日か穏やかに暮らせるときが来たら、真っ先に次郎に花柄の着物を着せてやりたいと語っていたこと。
父と母の自分へ注がれてきた愛の深さと、その父にもう二度と会えないことに、涙が堰を切ったように溢れだした。
『気丈なあなたは、自分を押し殺し、無理をしているように見えます』
涙で手紙を濡らしながら次郎は必死に読んだ。
『この手紙が、ほんの少しの間、あなたをただの娘に戻してくれることを願いながら・・・』
なんとか最後まで読み終えた次郎は、手紙を抱きしめ、声を押し殺して泣いた。
生まれくる命・・・消えゆく命・・・
猛暑の続く中、いまだかつてない危機に瀕していた井伊家に、一筋の光が差し込んだ。
ついに!しのに、懐妊の兆しが見えたのだ。
娘の懐妊を聞いた朝利は、飛び上がって喜んだ。
朝利「本当か!この時期に・・・まるで、殿の生まれ変わりのようではないか!」
朝利はすぐに手紙を書き、小野の屋敷に届けさせた。
その日の夕方、手紙を読んだ政次は祝田にある奥山の屋敷を訪れた。
なつと亥之助を引き取りたいと切り出す朝利に、政次は丁重に答えた。
政次「何度もお伝えしておりますように、なつ殿自身が小野にとどまりたいと申しておりまして」
朝利「嫌がったとしても、あなたが戻れと言えば済む話であろう。なつと亥之助を戻したくない理由でもあるのか?」
政次「亡き殿が結んでくださった、我が弟・玄蕃となつ殿とのご縁だからです」
いかにもごもっともらしく言ってのける政次に、苛立った朝利は皮肉交じりに言った。
朝利「亥之助がこちらに来てしまったら、お前が人質を取られた格好になるからか? どうだ、図星だろ!」
すっと目を細め、政次は落ち着いた声で返した。
政次「そのようなことは全く考えたことはありませんでしたが、逆に、そちらに戻せば、奥山殿は亥之助を人質とお考えになるということですか?亥之助は、小野から取った人質である、と?」
動揺し返す言葉の見つからない朝利に、政次は落ち着いた様子で続けた。
政次「そのようなお考えでは、こんな大切な時に奥山殿は自分の家のことばかり考えておられると、新野様も中野様も失望されるでしょう」
朝利「いや、そういうわけではなくて・・・まぁ、なつがそれほどまでに小野家にとどまりたいと言うのであれば」
政次「ご理解いただきありがとうございます」
退出しようと背を向けた政次が、背後に殺気を感じた瞬間、刀が振り下ろされた。
よける間もなく白刃がひらめき、左腕から鮮血が噴き出した。
朝利「殿がいなくなった今が好機と思っているのだろうが、そうはさせないぞ!」
腕から血を流している政次に、刀を構え直した朝利が襲い掛かって来た。
次郎は龍潭寺でしのが懐妊したことを聞いた。
喜び寂しみ、妬み悔しさなど、得も言われぬ感情が胸の中でぶつかり合った。
本堂に入り、ご本尊に手を合わせると、次郎の胸のざわつきはゆっくりと治まっていった。
次郎「井伊の家に、新しい命をお与えくださったこと、心より感謝いたします」
暗闇の中、がさりと物音がし、次郎は目を見張った。
手燭の光を頼りに辺りを照らしながら奥へ進みむと、そこには血にまみれた見覚えのある姿があった。
次郎「政次!どうした!一体何があったのだ!」
政次「・・・奥山殿を・・・斬ってしまった・・・」
以上、NHK大河ドラマおんな城主直虎9話のあらすじネタバレでした。
以下は実際に放送を見ての感想です。
おんな城主直虎 9話の感想
今回は有名な桶狭間の戦いのお話でした。
今川が勝つと思われていた戦で大敗し、井伊家にも大きな被害がでました。
残されたとわたちはどうなってしまうのでしょうか。
桶狭間で大敗を喫す
桶狭間の戦い。
数では圧勝のはずでしたが、大敗を喫したという知らせが来てしまいました。
父親の安否が心配なとわは動揺を隠せません。
雨上がりに奇襲をかけられ、まさかの今川義元も討ち死に。
とわも怪我人の治療に大忙しです。
数では完全に有利だったはずなのに、なぜこうなってしまったのか。
政次の弟・玄蕃も戦死してしまい、普段は冷静な政次も悲しみに打ちひしがれてしまいます。
義元がいなくなり、下知を出す能力のない氏真ではどうしようもなくなったということでしょうか。
奥山の看病をするとわは、雨上がりに攻められ敵味方も分からない状態で総崩れになったことを聞かされます。
直盛の安否をずっと気にしていましたが、首だけという痛々しい姿で戻ってきてしまいました。
直盛の首を持ち帰った孫一郎の話だと、自分の首で孫一郎を助けるため自害してしまったのですね。
人のために命を落とすとは立派な方です。
千賀も嘆くのではなく夫の働きを労う言葉をかけるとは、強い女性です。
直盛の顔を綺麗にしてやり見送ることに。
悲しみをこらえきれないとわは、井戸へ行き一人で嘆き悲しみます。
井伊の重臣はみんな自分の血縁者を亡くしてしまったつらい戦となってしまったようです。
井伊にとって桶狭間の戦いは想像以上に被害が大きかったようですね。
遺族に文を送る千賀
直盛が亡くなり、今度は家督の問題が。
遺言は直親ではなく中野に井伊家を任せるという意外なものでした。
政次は混乱の中、直親を矢面に立たせたくなかったのではと解釈します。
その言葉に直平も納得。
しかし、奥山は誰かに入れ知恵されたのではないかと疑います。
政次が仕向けたのではという疑いの目が向けられました。
政次を信用しているかのような発言はしますが、直親も疑っているのかもしれません。
千賀は討ち死にした者の遺族へ、自ら筆をとって文を書いていたのですね。
お悔みや礼をいう心配りは、残された人間にとって少しでも心の慰めになるかもしれません。
徹底的に政次を怪しむ奥山は、なつと息子を人質に取られる前に手を打つことにしました。
なつは彼女の意志で残ることを決め、その言葉に政次も涙します。
弟の忘れ形見が留まってくれて有難いという気持ちがあるのでしょう。
しかし、この事が奥山の怒りに火をつけたようで心配です。
和尚は妹の佐名のところへ来ていました。
今川の内情を聞くと、三河で松平元康が奮闘しているという話を聞かされます。
自分たちの立場が危うくなりそうなのを覚悟し、瀬名たちだけでも井伊にかくまってほしいと頼んできました。
佐名は死ぬ気なのでしょうか。
直盛の思いを知る
母親の心配をするとわは、自分も夫を亡くしたのに人の家族の心配をして文を書いている事を気にしています。
文を書き疲れて眠っている千賀の部屋で、ふと出していない文をみつけました。
自分への手紙だと知り読んでみると、優しくて頼りないように見えるが井伊のために身を削る覚悟のある立派な父親であったことが書かれていました。
そんな直盛はとわに似ていると、そんな娘が側にいてくれていることが千賀の心の支えになっているのですね。
とわが日に焼けてボロをまとっていても美しく成長している事を話していた直盛。
目に入れても痛くないとはこの事でしょう。
穏やかに暮らせる日が来たら辻が花を着せてやりたいという夢は実現せずに終わってしまいました。
でも、とわが本当に愛されていたことが痛いほどわかる文でした。
父親の思いを引き継ぎ強く生きてほしいですね。
こんな訃報だらけの時に、しのにようやく子供ができるという嬉しい知らせが。
直盛の死んだ直後ということで、生まれ変わりとも思える嬉しい妊娠となりました。
千賀も、こんな時だからこそ妊娠の知らせを聞けて良かったですね。
奥山に呼ばれた政次ですが、なつを返さない事に不機嫌な様子。
戦で身内を失ったばかりだというのに、今度は人質の問題で不信感を募らせた奥山に斬られてしまいました。
命からがらとわのところへ来た政次は、奥山を斬ってしまったという衝撃的な言葉を口にします。
問題の絶えない井伊家ですが、これからどうなってしまうのでしょうね。