おんな城主直虎 30話のあらすじネタバレと感想
NHK大河ドラマおんな城主直虎30話のあらすじネタバレと感想です。
あらすじのネタバレは放送開始前に、感想は放送開始後に追記します。
目次
おんな城主直虎 30話のあらすじネタバレ
駿府では、今川氏真の指揮により戦の準備が着々と進められていた。
井伊に戻った政次は、急いで直虎の元を訪ねた。
「大方様に呼ばれた時、どのようなお話をされましたか?」
「直親のことを聞かれたので、気持ちを述べたら、大方様は涙を流しながら、わたしに今川の力になってくれと。…なにかあるのか?」
「あの呼び出しは、裏切る可能性のあるものを精査するためのものだったようで…」
「わたしは、試されていたということか」
「多分…」
「しかし、あれから随分時間が経っているし…疑われなかったということじゃないかな」
しかし、政次には、もう一点気にかかる事があった。
今川の屋敷で、氏真に呼び出された方久が、控えの部屋に戻って来た時には、苦悶の表情を浮かべて、一人静かに黙り込んでいたのだ。
直虎の話の内容も気になった。
今川から戦に備えた商売のために蔵を作ることを許された方久であるが、そのための材木をいまだ、井伊に頼んでいない。
これは、一体どういうことなのか…
なぜ?
もしかすると、今川は井伊を疑い、潰すつもり?
まさか、方久はそれを知っている?
嫌な胸騒ぎを覚えた政次は、龍潭寺の橘の木に話しかけた。
「亀…どう思う?俺の考えすぎか?」
さやさやと風に揺られ、葉を鳴らす橘。
「…ひとつ…こちらから、仕掛けてみるか」
思い切った賭けに出る政次
政次は気賀に行き、龍雲丸に会った。
「あっ…ど、どうして但馬様が…」
じっと見つめる政次に、龍雲丸はなぜか、焦りをみせた。
「知らないだろうが、私は太守様からお前を見張るように言われているのだ」
「えっ!」
次に、三河から方久に会いたいという者が来ていると言って、方久をおびき寄せた。
銭の匂いがすると思ったのか、方久はのこのこと現れた。
今川との間に密約があるとすれば、これは完全に裏切り行為となる。
「これは、どうしたものかなぁ」
口を閉ざす方久に、政次は冷たく言った。
「井伊を潰す話から、但馬は外すとでも、言われたか」
方久の顔色が変わった。
やはり!井伊を潰す話が陰で進んでいる。
「お前には私を外すと言いながら、私には方久を外すといい、天秤にかけているのだろう。今川とはそういう家だ」
方久が何やら気にしてもぞもぞしだした。
もぞもぞと後ろに回した手を龍雲丸が押さえた。
「えっ!やめろ、頭!やめ…」
龍雲丸は方久から書状を取り上げると、政次に渡した。
政次が手にした書状には「徳政令後も、瀬戸方久の土地は保証する」と、記されていた。
なるほど…そういうことか!
徳政令で、百姓の借金が帳消しになれば、方久はその分を井伊に貸してあるお金を取り立てて埋め合わせを図る。
しかし、直虎に借金を返すあてなどない。
「そうなれば、井伊の土地は取り上げられてしまう。今川は戦わずして、井伊を直轄にできるという訳か」
それを聞いた龍雲丸が怒りをあらわにした。
「尼小僧のお陰でここまで来たんじゃないのかよ!」
「気賀を取り上げるとまで言われたら、仕方ないでしょう!」
方久は開き直ったように続けた。
「それに、言っちゃあ悪いですが、徳政の問題ではなく、どの道、井伊は潰されるんですよ。今川の目的は、井伊を直轄にすることですから!」
政次の努力もむなしく・・・
突然の今川家臣である関口の訪問にも驚いたが、その用件も想定外であった。
「太守様から命令を届けに来ました」
焦る直虎をよそに、関口は淡々と書状を広げた。
「以前から井伊の百姓たちから願い出のあった徳政令をすぐに行うこと!」
愕然とする直虎。
「方久から、井伊の借金がいつまでたっても帰って来ないので、取り戻したいとの相談があったのだ」
「方久は、それをしないことを条件に、井伊の家臣となったのですから、そんなことを言うはずはありません!」
「しかし、私はそう聞いているので」
徳政を行う旨の誓約書を明日までに書くようにと言い残し、関口は退出した。
「なぜまた、徳政などと…」
重々しい空気の中、六左衛門の放った言葉に、直虎は首を横に振りながら返した。
「詳しい事はわからないが、今川がまた井伊をつぶしに来ている事は確かだ」
静かな足音とともに現れた政次が言った。
「戦を控えた今、三河との境になるこの地を、信頼できない井伊に守らせるのは危ないと、大方様が判断されたようです」
寿桂尼は直虎の腹の底を見透かしていたということか…
淡々と続ける政次。
「今回の徳政令の話を蹴れば、力でねじ伏せられるでしょう。このような形で潰しにきたのは、むしろ、今川の優しさかと」
「好き勝手言うな!金がなくて潰れるなど、前代未聞の恥だ!」
立ち上がろうとした直之を直虎が制した。
「よせ…この男はただの犬だ」
政次が、今川の忠実な目付けのふりをして、井伊の盾となり守ってくれていることは、誰にも明かすことはできない。
しかし、このことも、寿桂尼に見透かされていたとしたら…
家臣を下がらせた直虎は、一人考え込んだ。
なにか、思い切った策に出なければ…
徳川が攻めてきたとき、立ち向かうように見せかけて、関口の首を差し出すか…
いちど徳政を受け入れ、その後、徳川の力を借りて井伊をよみがえらせるか…
長いこと考え込んでいると、大声を張り上げる直之の声がした。
予想もしない展開に・・・
「殿!殿!瀬戸や祝田の百姓たちが、関口様の泊まっている神社に押し掛けようとしているようです」
関口が来る直前、庭先で甚兵衛と話していたのを聞いたのかもしれない。
直虎はすぐに関口の元へ向かった。
関口の泊まる神社の前に座り込んだ百姓たち。
「今川様にお願いします!私たち瀬戸や祝田の百姓は徳政を望んでいません!」
すると、全員で「徳政は望まない!」と、何度も繰り返した。
「うるさい!お前ら、ここで何をしている」
関口の手下の者に、腕を掴まれ殴り倒されてもその声は続く。
「徳政は望まない!」
直虎が駆けつけた時もかの壮絶な光景は続いていた。
それを遠くから眺めていた政次を見つけ、声をかける直虎。
「但馬、こんな所で何をしている?」
と、その瞬間、政次は直虎を羽交い締めにし、脇差を抜いたかと思うと、直虎の首に突き立てた。
「殿!」
直之が刀を抜こうとすると、たちまち政次の家人に囲まれた。
政次の腕の中で、もがく直虎に「大丈夫だ。俺を信じろ!おとわ!」と、小さくも鋭い声で政次が言った。
そうしてそのまま政次は歩き出した。
直虎は訳も分からないまま、ただ引きずられるようにして神社の方へと向かった。
以上、おんな城主直虎30話のあらすじネタバレでした。
以下は実際に放送を見ての感想です。
おんな城主直虎30話の感想
寿桂尼と話して信用できないとバツをつけられた直虎でしたが、まさか徳政令で井伊家を取り潰そうとするとは驚き。
直接命を狙ってくるのかと思ったら借金で自滅するように仕向けたのですね。
方久が必死に腰を抑えて隠し事をする姿も、何だか滑稽で可愛らしく見えた今回でした。
徳政令の話を持ち掛けられる方久
今川から危険視されている直虎。
今度は方久が今川に呼ばれることになりました。
井伊の領地を今川の直轄にするため井伊を取り潰そうとするとは。
信用できない直虎は排除しようと考えたのですね。
方久にとっては損をしない話。
今まで忠実だった政次も怪しいと悟っていたようです。
寿桂尼に呼び出された時の話を政次へ伝えると、内通を洗い出すための呼び出しであったことを知らされた直虎。
時が経っているからといって油断するわけにはいきません。
必死に書状を隠そうとする方久ですが、まさか本気で直虎を裏切るつもりとは。
何度も直虎の窮地を救ってきたのにここにきて・・・といった感じでした。
気賀へ向かい方久の企みを暴く
戦に備えて気賀も大忙し、商売繁盛なのは結構な事です。
直虎が気賀の城へ行くと、方久は腰を抑えながら「腹が!」と叫んでしまいました。
あまりの焦りように意外と隠し事の出来ない人である事が分かり驚き。
やはり政次の勘は鋭く頼りになります。
寿桂尼の目論みに気づき手を打とうとするとは流石。
方久はビクビクしながら身を隠そうとしますが、政次の行動の方が早かったようですね。
腰を抑えて必死に書状を隠そうとしています。
ここに隠していますよと教えるような隠し方をする彼はアホなのかと思う程の挙動不審ぶり。
舌戦では政次に敵うわけもなくあっさりとバレてしまいました。
徳政令を利用した姑息な手段で井伊を潰そうだなんて酷い話です。
方久に徳政令の時期を問う政次ですが、どう出るのでしょうか。
関口から下知を伝えられ、とうとう徳政令が出てしまいました。
今更の徳政令に驚くのは当然ですよね。
絶対的な味方だと信用して気賀まで任せた方久からの要望で、更に動揺するばかりの直虎。
そんな井伊家の窮地を影から覗いていた瀬戸村の百姓・甚兵衛は何を思ったのでしょうか。
今川が井伊を潰そうとしている意図を知り、方久までもが裏切り者に。
借金で井伊が潰れたとなってはユキの字の言う通り末代までの恥となるでしょう。
父親や直親たちが守ってきた井伊家を守るためには頭の痛い事ばかり。
政次までもが取り潰しに賛同するような事を言ってきました。
徳政令を出すよう下知が下る
直親だけでなく、妻・しのまでも人質にしたというのに取り潰されては犠牲になった二人が報われません。
虎松を井伊の後継者として育てるのが直虎の使命。
こんな時に和尚の助言を聞くとホッとしたりします。
幼い頃に言われた「明日は今川館が焼け落ちるかもしれない」という慰みの言葉が現実になろうとしていようとは。
井伊を取り潰した今川が遠くないうちに潰れれば・・・。
再び別々の場所で囲碁をしながら語り合う直虎と政次。
井伊を取り潰そうとする政次の意図がはっきりしました。
いつでも井伊に良い方向へ考えてきた政次が、ただで井伊を取り潰すことに賛同するとは思えなかったので大丈夫だとは思っていましたが。
こうやってはっきりと彼の考えを知ることが出来てとても安心しました。
二人は別々のところにいる時の方が、実は気持ちが通じ合っている場面が多いように感じます。
井伊が取り潰された後、徳川と戦へ。
井伊は徳川と通じているので戦になっても安心というわけなのですね。
取り潰されれば尚更今川を油断させることが出来る。
徳川に関口の首を差し出すことで、取り潰された井伊を蘇らせようという作戦だったとは先の方まで見越した政次らしい策です。
そして、その策を瞬時に思いついてしまう賢さに感服。
取り潰しの方向で話を進めようとした途端、百姓たちが関口へ徳政令の差し止めを訴えてきました。
直虎の行いがあるからこそ、彼女のために皆行動を起こしてくれる温かさ。
殴られても怯まず徳政令を望まないと訴える彼らの勇ましさに胸が熱くなります。
百姓たちの姿を影から見守っていた政次は、駆けつけてきた直虎に刀を向けました。
「俺を信じろ、信じろ、おとわ」
幼名で信じろと言われれば信じないわけにはいきません。
最初の頃は敵だと思っていたのに、最終的には何をされても安心感がある人になってしまいました。
いつか直虎と結ばれてほしいと願わずにはいられませんね。