おんな城主直虎 27話のあらすじネタバレと感想
NHK大河ドラマおんな城主直虎27話のあらすじネタバレと感想です。
あらすじのネタバレは放送開始前に、感想は放送開始後に追記します。
目次
おんな城主直虎 27話のあらすじネタバレ
「気賀の町を大沢様の代わりに、井伊様で預かってもらうことはできませんか?」
直虎は、呆気にとられている。
同行した四人の商人たちに目配せしてから、中村屋が続けた。
「あの話し合いの後、みんなでいろいろ考えたのですが、やはりここは井伊様が引き受けてくださるのが一番かと」
「しかし、それは今川が決めること…」
「私たちにできることは何でもしますので、どうか気賀を助けてはもらえないでしょうか」
「やりましょう!」
勢い良く叫んだのは方久である。
「なんたる偶然!これはやはり天からのお告げなのでしょう!」
申し合わせたかのように調子のいい方久たちに反して、直虎は思いきれずにいた。
「珍しい!殿が迷うなんて」
碁石を置きながら、政次が言った。
「しかし、戦わずして気賀を取れるなら、こんないい話はないですね」
「但馬はこの話、どう思う?」
直虎は適当に碁石を置きながら言った。
「気賀の立地を考えると、やるだけの価値はあると思います。後は殿の決断のみかと」
色々とお世話になっている気賀の者たちを助けてやりたい、皆が作り上げてきた町をできるだけそのままの形で守ってやりたい…自信はないが…
考えに考えた末、直虎は引き受けることにした。
「心配ございません。そんなに難しいことではないと思いますよ」
平然とした様子で、方久が言った。
「いったいどのような秘策を考えているんだ」
「関口様に力添えいただこうかと思っています」
関口の?!
井伊の見張り役である関口の陰険な顔が浮かんだ。
「だからこそ取り入る隙があると思うのです。まぁここは私にお任せください」
方久の策略
方久は珍しい南蛮のお香を持って関口に会いに行き、井伊家が気賀を預かることになった時は、港での儲け話を一口差し上げたいと持ちかけた。
お金の力の凄さとはこのことであろう。
関口はすぐに話に乗ってきた。
方久は次に、今川の屋敷を訪れた。
もちろん氏真との面会の段取りは、関口がつけてくれている。
挨拶を交わした直後、大事件が勃発した。
「大至急お知らせが!」
家人が届けた書状を読んだ氏真は、一気に赤面したかと思うと、わき差しを抜き出し、掛け軸を切り裂いた。
「おのれー。どいつもこいつも私を馬鹿にしやがって!」
そこには、武田信玄に幽閉されていた嫡男の義信が、自ら命を断ったことが書かれていた。
武田家と今川家の同盟の証でもあった義信は、氏真の妹の夫でもある。
これは武田から今川への宣戦布告ともとれる行動であった。
戦が近くなるとすれば、戦いに強い大沢を差し置いて、井伊が取って代わる事は、時期的に難しい。
この話は今ではないと判断した方久は、状況を見ながら日を改めることにした。
その日、直虎は中村屋からとんでもない話を聞いた。
龍雲丸たちが気賀を出ていかず、仲間たちとともに根城に留まっているというのだ。
それどころか、あれほど否定的だった城の建築を、龍雲党が請け負いたいと言い出したらしい。
「中村屋様、俺、気賀のためになる城を思いつきやした」
龍雲丸はあらゆる城の絵図をかき集め、実際に城に忍び込んで内部の様子を確かめたりもしていた。
今は大沢側の了解を得て、新たな城の絵図を書いていると言う。
直虎は急ぎ、龍雲丸の元へ向かった。
またもめぐり合わうふたり
久しぶりに龍雲丸の顔を見てホッとすると、同時に怒りがこみ上げてきた。
「何でだ!何で出て行かなかった?」
龍雲丸は平然と答えた。
「いちゃあまずいですか」
「絶対に出て行くと言っていたではないか」
苛立つ直虎とは対照的に、もの応じしない龍雲丸。
「せっかくだから城の建築現場でも見に行きますか」と、描きかけの絵図を指先でトントンと叩きながら龍雲丸は言った。
船に渡乗せられ、どこともわからぬ場所へ連れていかれる直虎は、イライラを隠せず声をかけた。
「まだつかないのか!遅いなぁ」
すると龍雲丸は湖の真ん中で碇を下ろした。
「…えっ?な、何をしている」
うろたえる直虎。
「泣いても喚いても誰も助けに来ては来れませんよ」
ニヤニヤと笑いながら、龍雲丸が近づいてきた。
逃げ場が水の中しかない。
そう思い、直虎が飛び込もうとした瞬間、龍雲丸が慌てて叫んだ。
「違います!嘘ですよ」
「じゃあ、何でこんなところに停めたんだ?」
まだ、心臓がバクバク言っているのがわかる。
龍雲丸が不意に両手を広げ「ここですよ、ここに城を造るんです」と言った。
あたりを見回し呆然とする直虎に龍雲丸は続けた。
「潮が引けば、ここは中洲になるんです」
城に近づくには、潮が満ちているときに船で乗り入れるしかない。
敵が馬に乗ってやってきても、城までは来られないということになる。
「たとえ潮が引いたとしても、ぬかるんでいて馬では来れない。そんな足元の悪い中、大勢で攻め込む事は難しい」
敵が立ち往生している間に、城のものは船で裏から逃げ出すことができる。
そのまま水軍で攻め、有利な戦いを進める方法もあるが、湖の周囲は今川の国衆に囲まれているため、それは難しい。
「もし、この世にあったほうがいい城が存在するとすれば、こういうもんなんじゃないかと思ったんです」
「うむ…捕まらないための城か」
「根が盗っ人なもんで」
「いいと思う。実に、いい」
龍雲丸は笑いながら、碇を上げ始めた。
新たなひらめきが導く方向へ
ふと空を見上げるとそこには雲がぽつんと浮かんでいた。
「雲も何か城と関係があるのか?」
気になっていた直虎は龍雲丸の背中に話しかけた。
「前に、空に雲があるからと断っただろう」
「…いや、大した話じゃないんで」
「たいしたことない話でわたしは断られたのか」
引き下がらない直虎に押し切られるようにして、龍雲丸は自分の過去を話し始めた。
ひとり城から逃げ延び、盗賊団に拾われたが、そのうち彼らも捕まってしまい、また一人ぼっちになってしまったこと。
その時ふと見上げた空に大きな龍雲が出ていたこと。
「その雲を見たときに誓ったんです。これから先は誰にも頼らず、何にも縛られず、自分の思うがままに生きていくと。でも気づいたら、仲間に縛られ、町に縛られ、このざまです」
「縛られないということに縛られていたのだな、頭は」
「…説教じみて」
「尼だからなぁ」
男の歩んできた長い孤独と、今の平穏を直虎は考えていた。
「頭は本当は、奪われてきたものを取り戻したいと望んでいるのではないか?」
仲間や安住の地。
その心に従うことで、少しずつ自分を取り戻したのではないだろうか。
「尼小僧様は、いつも俺の思いもよらないことを言いだす」
直虎は船を降りながら、大沢側の考えについて尋ねた。
築城を急げとしか言われないと言う。
「大沢はいくつも城を持っているようで、他の城のほうも忙しいんじゃないですか」
なるほど!大沢の方から手を引かせればいい!
直虎のひらめきにより、方久が再び動いた。
思い描く方向へ
大沢に対面した方久は、気賀の治安が不安定で治めにくいことを説明し、今回の治安悪化の騒ぎを裏で手を回し収めたのが、直虎であることを話した。
「井伊と気賀の間に、商売をつうじた深い絆があったからこそ、おさまったようなものです。怒りに狂い、謀反を起こそうと言い出す輩もいたそうです」
気賀は徳川や武田と通じることも簡単である。
何もわざわざ火種になりそうなことに、首を突っ込む必要はないのではないか。
「ここはひとつ、大沢様の方から井伊をご推薦してはいただけないでしょうか」
方久の話を聞いて不安になった大沢は、方久とともに氏真の元に向かい、井伊への譲渡の申し出をした。
「大沢家が浜名湖の東側をしっかりと固めるためにも、気賀の町は絆の深い井伊にお任せしてはいただけないでしょうか」
「井伊としましても、総力を挙げて太守様のために尽くそうと考えております」
そこに、関口も加担した。
「恐れながら…私もこの者たちの言う通りかと」
氏真は不満そうな顔で言った。
「好きにすればいい。どうせわたしなど、蚊帳の外だ」
こうして気賀の町は井伊家が治めることになり、すぐに築城が始まった。
年を越したある日、堀川城と命名された新たな城が完成した。
湖に浮かぶ幻想的な城とともに、直虎もそこから新たな船出の時を迎えるのであった。
以上、おんな城主直虎27話のあらすじネタバレでした。
以下は実際に放送を見ての感想です。
おんな城主直虎27話の感想
気賀の城主になる事を提案される直虎ですが、方久の働きで意外と簡単に関口と大沢の了解を得ることになりました。
この交渉術の上手さは流石といった感じでしたね。
気賀には龍雲党のおかげで立派な城が完成。
龍雲丸もこの先ずっと直虎の力になってくれそうで、頼もしい味方と共に大きな船出となった今回でした。
気賀の城主になる事を熱望される
井伊の材木で気賀に城を作ることに激怒する龍雲丸。
そんな時、直虎は気賀の城主になる提案をされます。
中村屋からも頼まれては引き受けないわけにはいきませんね。
大沢に任せるよりは直虎にやってもらったほうが商人たちも都合がいいはず。
これは好機と、方久が二つ返事で了解しました。
しかし、直虎は一晩時間をもらって考えることに。
そう易々と引き受けるわけにはいきませんよね。
大事なことは真っ先に政次へ相談するとは、二人は良い関係になりました。
政次の同意も得て、気賀のためにと城主を引き受けることに。
城主になるために大沢と和解し、関口に口添えしてもらうよう説得することになりました。
果たして上手くいくのでしょうか。
自信満々に出掛けて行った方久ですが、彼には策があるようです。
関口への土産に持って行ったのは南蛮の香料。
布に染み込ませた香りを大変気に入った様子です。
いい気分にさせて話を切り出すとはやりますね。
武田信玄の嫡男・義信の自害
気賀が儲かるという誘い文句で口説こうとする方久。
関口は意外にも欲がない人のようで乗ってきません。
しかし、気賀を井伊が治めることで美味しい思いが出来るとなれば欲が出て来てしまったようです。
あっさり関口を説得することに成功しました。
儲け話に関しては口が上手い方久ですね。
気賀を出て行く話をする龍雲丸たちですが、城主になるのが直虎だと知らされます。
直虎が気賀を治めるのなら出て行く必要もなくなるはず。
いよいよ駿府へ。
今川の許しをもらうことはできるのでしょうか。
こちらも土産物で喜ばせ話を切り出します。
そこへやって来た知らせの文を読み激怒する氏真。
話しどころではなくなってしまったようです。
武田信玄の嫡男・義信が自害したことで事態が急変。
武田と今川の同盟も完全に終わったという事の知らせなのですね。
自害を命じた武田は、今川を切り捨てると言ったも同然。
井伊が気賀を任されることは難しい状況となってしまいました。
湖の上の城・堀川城が完成
政次の言う通り、話を切り出す前の知らせで良かったですね。
命拾いをした方久でしたが、龍雲丸は出て行ってしまうのでしょうか。
井伊が治めるのが難しくなった事を伝えられ、出て行くのかと思いきや築城のために考えてくれていたようです。
龍雲丸たちがやる気になってくれ、良い方向に向かっているような気がします。
潮が満ちると湖になり、敵が城に容易く近づけない場所に建てる案を出すとは。
潮が引いてもぬかるんでいて馬が走れない。
本当に頭の良い青年ですね。
過去に城を攻められ両親を亡くした龍雲丸には、その後も大変な人生が待っていたようで。
そんな龍雲丸に、奪われた物を心の底では取り戻したいと望んでいるのではと感じた直虎。
二人の絆がより一層深まった瞬間でした。
直虎は大沢の方から手を引かせる案を考えつきますが、上手くいくのでしょうか。
城の改築や戦で手一杯の大沢にとって気賀を任されるのは面倒なこと。
井伊を推挙してもらうのは容易な事だったようです。
飲んだくれる氏真に投げやりな感じで任されましたが、上手くいって良かった。
今回は方久の働きで無事気賀を任されることとなりました。
この事を井戸で密かに喜ぶ政次を見守る和尚。
影で必死に支える姿は、まるで直虎の妻のようですね。
龍雲党の手で湖の上に立派な城が出来上がりました。
完成した城に政次もご満悦。
一時はどうなるかと心配された気賀の問題も無事解決しました。
龍雲丸も気賀に根を張る決意をしてくれ、城の完成が井伊の大きな一歩となりましたね。